ARKGの組み入れ上位銘柄について解説します

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  1. ARKGの組み入れ上位銘柄について解説します
    1. そもそも、ARKGとは?
      1. ARKGの投資対象
      2. 混同しがちな「ゲノム」、「遺伝子」、「DNA」
      3. ARKG組み入れ上位10銘柄(2020年12月24日時点)
      4. ARKGの直近1年の株価推移
    2. パシフィック・バイオサイエンシズ(ティッカー:PACB)
      1. パシフィック・バイオサイエンシズ(Pacific Biosciences)の事業とは?
      2. ゲノム解析とは?
      3. ゲノム解析って何に活用できるの?
      4. パシフィック・バイオサイエンシズの強みは精度の高いゲノム解析
      5. 分析機器と消耗品の売り上げが拮抗
      6. 直近1年間の株価推移
    3. クリスパー・セラピューティクス(ティッカー:CRSP)
      1. CRISPR/Cas9を使った治療法の開発
      2. ヘモグロビン症、がん、糖尿病を中心としたパイプライン
      3. 鎌状赤血球症の新薬候補CTX001
      4. ゲノム編集関連の治療法で今後多くなるのはこのタイプ
      5. 直近1年間の株価推移
    4. ツイスト・バイオサイエンス(ティッカー:TWST)
      1. コアビジネスは「DNAを合成する」
      2. DNAを合成するとは?
      3. DNA合成だけではなく他の分野にも進出
      4. DNA Is Changing the World
      5. 合成生物学製品の市場が今後も成長が見込める分野
      6. 顧客数は毎年増加
      7. 直近1年間の株価推移
    5. アクタラス・セラピューティクス(ティッカー:ARCT)
      1. 改良版RNA+LNPが事業の柱
      2. RNAを使ったワクチンや治療薬の特徴
      3. RNAを利用したパイプライン
      4. 直近1年間の株価推移
    6. テラドック・ヘルス(ティッカー:TDOC)
      1. 現時点ではゲノムや遺伝子とはほとんど関係ない銘柄(将来的にはある)
      2. 直近1年間の株価推移
    7. インビテエ(ティッカー:NVTA)
      1. ゲノム情報に基づき疾患リスクを提示する
      2. こうしたビジネスモデルの会社は日本にもある
      3. 直近1年間の株価推移
    8. ケアディーエックス(ティッカー:CDNA)
      1. ゲノム情報に基づく臓器移植関連事業に100%注力
      2. 売り上げも年々成長中
      3. 直近1年間の株価推移
    9. パーソナリス(ティッカー:PSNL)
      1. がんの個別化医療をビジネスとしている
      2. がんは遺伝子との関連が深い
      3. さらに一歩先の検査、リキッドバイオプシー
      4. 業績は年々良くなっている
      5. 直近1年間の株価推移
    10. アイオワンス・バイオセラピューティクス(ティッカー:IOVA)
      1. 腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を利用したがんの治療法を開発
      2. がん患者さんの免疫細胞を取り出し、刺激を加えて体に戻す
      3. パイプライン
      4. 直近1年間の株価推移
    11. 最後に

ARKGの組み入れ上位銘柄について解説します

どうもタルボットです。2020年も終わりに差し掛かってますが、みなさまどのようにお過ごしでしょうか?

今回ですが要望の多かったARK Genomic Revolution ETF(ARKG)の組み入れ銘柄上位10銘柄の概要について解説していきたいと思います。どうやら、ARKGに投資してみたいけどゲノム関連の企業が何をやっているのかさっぱり分からないという方が多いみたいですね。

私も財務などの分析は全然わかっていないものの、ゲノム関連についてはもともと研究を行っていたという背景もあり、少しはお役に立てるのかなと思っております。

この記事にはタルボット個人の見解が多数含まれます。内容に関して保証することはできません。本ブログの内容を利用する際にはご自身でも調べることをオススメいたします。

なるべく専門用語も噛み砕いて分かりやすく説明していきたいと思います!遺伝子治療などについては前回記事のリジェネクスバイオ(RGNX)でも解説していますので、こちらもよろしければ是非!

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そもそも、ARKGとは?

ARKGの投資対象

私の理解ではARKGの投資対象は「ゲノムや遺伝子に関する技術をビジネスに取り入れ、人間のQOL(生活の質)を向上させることを目的とする企業」です。

このあたりはあまり難しく考えずに、「ゲノムとか遺伝子が関係するようなビジネスを行っている企業が組み入れられているのかな~」くらいで思っておけばいいと思います(実際は関係ない会社も入っていますw)。

混同しがちな「ゲノム」、「遺伝子」、「DNA」

ちなみに、「ゲノム」、「遺伝子」、「DNA」は似ていますが厳密には違うものですので、以下に定義を示しておきます(こんなこと言いながら私も混同しがちなので、適宜読み替えプリーズw。)

ゲノム・遺伝子・DNAの違い

DNA
化学物質の名前で、デオキシリボ核酸の略称、DNA自体は化学物質を指す

遺伝子
化学物質が意味のある順番で並んだ文字列で、それが生命を作る・起動するために必要な情報を含んでいるもの

ゲノム
その生物に含まれている、その生物を作るのに必要なすべてのDNAの情報

上記の定義で分かりにくいという方は以下のリンクをどうぞ!

ARKG組み入れ上位10銘柄(2020年12月24日時点)

今回はこちらの上位銘柄について解説していきますが、「MORGAN STANLEY GOVT INSTL 8035」については機関投資家向けのファンドでゲノムや遺伝子関係ないと思うので割愛します。

出典:ARK社HP

ARKGの直近1年の株価推移

ARKGのここ1年間、特にコロナショック後の成長率は目を見張るものがありますね。グロース株にとって優位な環境が続いているということは考慮に入れなくてはなりませんが、ゲノムや遺伝子を利用した分野は今後も発展していくことは間違いないので、期待はできますね!

出典:Google(ARKGの直近1年の株価)

パシフィック・バイオサイエンシズ(ティッカー:PACB)

パシフィック・バイオサイエンシズ(Pacific Biosciences)の事業とは?

では早速、組み入れ比率トップのパシフィック・バイオサイエンシズについて見ていきます。こちらの会社がやっていることはシンプルかと思います。簡単に言うと「ゲノム解析機器およびその消耗品の販売事業」です。

出典:パシフィック・バイオサイエンシズ投資家向け資料

ゲノム解析とは?

ゲノム解析って何かというと、塩基配列を決定することです。みなさんを含め私たちヒトのDNAはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)という4種類の塩基から構成されています。こんなことを別に覚えなくても良いのですが、要するに

ATGGGTCTTTACGGGTAAGCTAGCTTTAGCAATGACAGACT・・・・・・・・・・・・・・・

などという並び方、つまり「A」「T」「G」「C」がどのように並んでいるのかを明らかにするのがゲノム解析というわけです(かなりざっくり説明)。

で、ヒトの場合この塩基が30億個(塩基は2つで1セットなので正確には30億塩基対)もあるのでめちゃくちゃ解析に時間がかかってしまうのです。その昔、ヒトゲノム計画などというヒトのゲノムの塩基配列を全て調べようという国家レベルのプロジェクトが存在し、莫大な予算が投じられていました。現在は解析技術の進歩により、解析にかかる時間は短く、お金は少なく、精度も格段に良くなっています

出典:パシフィック・バイオサイエンシズ投資家向け資料

ゲノム解析って何に活用できるの?

ここまで聞いて、「じゃあゲノム解析するとどんないいことがあるの?」という方もいると思いますので、以下に私の考えるゲノム解析の活用例を示します(私はヘルスケア領域が得意なので活用例がそちらに偏ってますが、実際にはヘルスケア領域以外でも農作物など色々な分野で活用できる可能性があります)。

ゲノム解析の活用例(ヘルスケア領域)

① 将来的にどんな病気になりやすいか予想することができる
太りやすい人や痩せやすい人がいるように、私たち1人1人が持つ遺伝子の違いにより、病気を発症するリスクも人によって大きく違います。現在の技術では正確に予想することができていませんが、AIなどの技術がこの分野が入ってくることで、今後精度が高まっていくことが考えられます(個人向けにゲノムの解析を行ってくれる会社はたくさんありますが、それぞれで病気のリスク表示はバラバラでまだまだ信用のおけるものではありません。論文などでも真逆の結論を出していることもある状態なので、仕方ないかなとは思います)。

② 薬の効きやすさや副作用が起こる可能性が事前にわかる
この分野もまだまだ発展途上ですが、薬の効き方が人によって異なる要因の1つは遺伝子であることは間違いありません。また、副作用についても同じことが言えます。

③ 遺伝子治療や再生医療に利用できる
次世代の医療である遺伝子治療や再生医療にゲノム情報が必要となってくるのは間違いありません。遺伝子治療のゲノム編集などは元のゲノムの配列が分かっていなければ編集することはできません。

パシフィック・バイオサイエンシズの強みは精度の高いゲノム解析

ここまででゲノム解析についてはなんとなーく分かっていただけたかと思いますが、パシフィック・バイオサイエンシズの強みはどんなところにあるんでしょうか?

私は精度の高い分析にあると思います。通常、調べなくてはいけない塩基の数が多くなれば多くなるほどその精度が落ちていくというのはある種この領域での常識だったわけです(下の図左)。しかし、パシフィック・バイオサイエンシズの解析機器は調べる塩基の数が多い場合でも約99.9%という精度を維持することができます(下の図左)。これはゲノム解析という非常に多くの塩基を調べなくてはいけないような分野ではとても重要なこととなります。

出典:パシフィック・バイオサイエンシズ投資家向け資料

病気の中にはたった1つの塩基が他の人と異なるだけで発症するようなものも存在し、たかが1つの解析ミスと侮ることはできないのです。

分析機器と消耗品の売り上げが拮抗

これをみると機器と消耗品の収入が大きな柱になっていることが分かりますね。そこまで大きく成長しているわけではないものの、着実に売り上げは増えているのではないでしょうか。残念ながら直近は新型コロナによる影響を受けたみたいですね。

出典:パシフィック・バイオサイエンシズ投資家向け資料

直近1年間の株価推移

ここ最近のパシフィック・バイオサイエンシズの株価は急速に上昇していることが分かりますね。1年で約5倍ほどになっています。売り上げの成長と比較するとかなり急激な伸びである気もしますが、それだけこの分野への期待値が高いということではないでしょうか。

出典:Google(PACBの直近1年の株価)

クリスパー・セラピューティクス(ティッカー:CRSP)

CRISPR/Cas9を使った治療法の開発

クリスパー・セラピューティクス(CRISPR Therapeutics)は「CRISPR/Cas9を利用した治療法の開発」を行っている会社になります。

CRISPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)とは近年(2012年頃)開発されたゲノム編集技術で、2020年のノーベル化学賞です。このゲノム編集技術が革命的であったのは、従来と比較して非常に簡単な手順でゲノムを編集できてしまうところです。あまりに簡単すぎるが故に中国ではゲノム編集された赤ちゃんが誕生するなど危険な側面もあります。

しかし、正しく利用すればヒトのゲノムを削除したり、修正することもできるので、かなりたくさんの病気に対して治療法を提供できる可能性があります。

出典:クリスパーセラピューティクス投資家向け資料

ヘモグロビン症、がん、糖尿病を中心としたパイプライン

現在、クリスパー・セラピューティクスが力を入れているのが、ヘモグロビン症・がん・糖尿病の分野です。これは遺伝子編集と相性の良い分野から攻めていっているなという印象です。

出典:クリスパーセラピューティクス投資家向け資料

鎌状赤血球症の新薬候補CTX001

鎌状赤血球症は、ヘモグロビンという酸素を運搬するのに重要なタンパク質の遺伝子異常によって引き起こされる病気です。CTX001ではまず患者から造血幹細胞という血球を作り出す細胞を取り出し、これをCRISPR/Cas9によってゲノム編集し、体の中に戻すことで正常なヘモグロビンが作り出される状態にします(ざっくり説明)。

出典:クリスパーセラピューティクス投資家向け資料

ゲノム編集関連の治療法で今後多くなるのはこのタイプ

このような細胞を一度取り出して、ゲノム編集をして戻すという方法は多く出てくるのではないかと思います。将来的にはCRISPR/Cas9を含む治療薬を直接投与する方法も出てくると思いますが、直接投与を行うと予期しないゲノム編集が行われるリスクがありますし、目的の場所まで治療薬を届かせる技術(DDS)の進歩も不可欠です。

直近1年間の株価推移

こちらの株価も1年で2倍以上に成長していますね。ただし注意しなくてはいけないのは、CRISPR/Cas9の技術はクリスパー・セラピューティクスだけの技術ではないので、そういう面での優位性はないです。

出典:Google(CRSPの直近1年の株価)

ツイスト・バイオサイエンス(ティッカー:TWST)

コアビジネスは「DNAを合成する」

ツイスト・バイオサイエンスは「シリコンチップにDNAを「書き込む」ことによって合成DNAを製造する新しい方法を開拓する独自の技術」がビジネスの中核を担っています。DNAを解析したり、DNAを編集したりするにはDNAを合成するという技術は必須のものであり、まさに根幹のビジネスを行っていると言っていいでしょう。

同社はDNA合成を大幅に低コストで、高品質に、精度高く、自動的に実行可能なプラットフォームを保有しているため、競合他社を圧倒できる可能性が高いです。

DNAを合成するとは?

DNAを合成するとは・・・

ATGCCTTAGACACTCAAG

みたいな配列を行う技術です。つまり「A」「G」「T」「C」を好きな順番で並び替えられるということです。これをシリコンチップを利用して行うようです(私も詳しい並べ方は知りませんw)。ちなみに下の図に載っている96 well (ウェル)プレートは96個穴が開いているプレートになっていて、穴の中で試薬を反応させて使うことが多いです。生物系の実験したことある人なら知っている人多いと思いますw

出典:ツイスト・バイオサイエンス投資家向け資料

DNA合成だけではなく他の分野にも進出

ただ、DNA合成を行う事業だけではなく、そこから派生した「ゲノム解析事業」や「新薬探索事業」などにも取り組んでおり、2020年で言うとCOVID-19に対して有効な抗体を探すのにも役に立っていたようです。

出典:ツイスト・バイオサイエンシズ投資家向け資料

DNA Is Changing the World

同社の顧客は幅広い業種で600を超えており、「DNAが世界を変える」というのはあながち間違いではないことだと思います。特に下の図にある「DATA STORAGE」なんかは、なかなか知られていないDNAの活用方法ですよね。まだまだ発展途上の分野ではあるみたいです。

出典:ツイスト・バイオサイエンス投資家向け資料

合成生物学製品の市場が今後も成長が見込める分野

DNAの合成をベースとした製品(合成生物学製品)の市場は2017年時点で約44億ドルでしたが、2022年までには139億ドルに成長すると予想されており、今後成長が期待できる分野ですね。

顧客数は毎年増加

顧客の数は毎年増加しており、今後もこの分野の成長に伴って増加が見込めると思います。また、注文を見てみると「DNA合成」「ゲノム解析」が主力であることが分かります。2020年になってから抗体関連(新薬探索など)のビジネスの注文が入ってきているようですね。

出典:ツイスト・バイオサイエンス投資家向け資料

直近1年間の株価推移

ツイスト・バイオサイエンシズも年初来で7倍以上に株価が膨れ上がっています。

出典:Google(TWSTの直近1年の株価)

アクタラス・セラピューティクス(ティッカー:ARCT)

改良版RNA+LNPが事業の柱

アクタラス・セラピューティクス(Arcturus Therapeutics)の特徴は「従来より強化されたRNAおよび脂質ナノ粒子(LNP)の開発」です。RNAを使ったワクチンや治療薬の開発を中心に行っているという点はモデルナと似ていますね。LNPについてはリジェネクスバイオの記事でも出てきましたが、DNAやRNAは血中に入れるだけではすぐに分解されるので、目標の場所までDNAやRNAを安定化し、細胞の中に取り込まれるようにする必要があります。DNAと比べるとRNAはさらに不安定な物質です。

出典:アクタラス・セラピューティクス投資家向け資料

RNAを使ったワクチンや治療薬の特徴

RNAを利用したワクチンや治療薬は今後も出てくるかと思いますので、以下に私の考える特徴を以下に示します。

RNAを使ったワクチンや治療薬の特徴

① mRNAは細胞の中に入ることでタンパク質を作らせる
mRNAは細胞に入り、その細胞にmRNAに書かれている情報(塩基配列)に基づいてタンパク質を作らせます。書かれている情報がワクチンであれば、ワクチンになりますし、治療薬の情報が書かれていれば治療薬になります。どちらも最終的には同じタンパク質です。

② mRNAはホストゲノムに挿入されることがない
RNAを使ったワクチンとか治療薬と聞くと、「なんか怖い」という人もいると思いますが、基本的には「RNA→タンパク質」にはなるけど「RNA→DNA」という流れにはなりません(一部例外を除く)。つまり、RNAを投与された人のDNAが書き換えられるなんてことは起こりえないということです。「DNA→RNA→タンパク質」という流れ(セントラルドグマ)を覚えておくとこの領域では役に立ちます。

③ RNAは非常に不安定な物質である
RNAを利用したワクチンや治療薬には「RNAを安定化させて、細胞の中に届ける技術」、つまりDDSが必須です。この技術には脂質ナノ粒子(LNP)やウイルスベクターを使ったものなど様々ありますが、まだ「これが最善」というものはありません。モデルナやバイオンテックのRNAワクチンはLNPが使われていますが、特に「どの細胞にワクチンを作らせるか」というコントロールはできていません。これはどの細胞でもいいからワクチンを作ってくれれば事足りているからです。しかし、これから先、どの細胞にワクチンや治療薬を作らせるかということもコントロールしなくてはいけないパターンも出てくるはずなので、LNP以外のものが主流になる可能性も十分あります。

RNAを利用したパイプライン

アクタラス・セラピューティクスは従来のRNAも利用していますが、改良型のRNA(STARR™ mRNA)というのも独自に開発しています。こちらのRNAは従来のものよりも細胞に効率よくタンパク質を作らせることができるようになっているようです。

出典:アクタラス・セラピューティクス投資家向け資料

また、アクタラス・セラピューティクスのLNPはLUNARという名称で展開されており、パートナー企業に技術提供しているようですね。自社開発以外にもパートナー企業からDDS技術に伴うパテントでお金を稼ぐというモデルはリジェネクスバイオとものすごく似ていると感じます。違いは扱っているものがLNPなのかウイルスベクターなのかというところですね。

出典:アクタラス・セラピューティクス投資家向け資料

直近1年間の株価推移

一時は10倍以上まで株価が上昇していますね。新型コロナワクチンが承認されたことで、RNAを利用したワクチンの有効性が示されたわけなので、RNAを利用したワクチンや治療薬に期待が集まるのは当然の流れといえますね。

出典:Google(ARCTの直近1年の株価)

テラドック・ヘルス(ティッカー:TDOC)

現時点ではゲノムや遺伝子とはほとんど関係ない銘柄(将来的にはある)

テラドックに関してはゲノムや遺伝子とは現時点ではそこまで関連していませんので、割愛します。将来的には遺伝子の情報を利用した診断などが出てくるかと思いますが、前述の通りまだまだ信頼性の高いものにはなっていません。(以前にめちゃくちゃ薄いテラドックの記事を書いたのでそちらのリンク載せておきますw)

直近1年間の株価推移

最近の株価は少し低迷気味です。コロナショックでオンライン診療の導入がどんどん進むと見られていたために2020年8月頃までは調子が良かったのですが、そのあとはコロナブーストの副作用に苦しめられている感じですね。動きはドキュサインとかと似ています。まだまだ、対面での診療を代替できない部分が多かったり、医師側も導入すると新しいことを覚えなくてはいけなかったりするというハードルもありますので、そこも織り込まれているのかもしれません。

出典:Google(TDOCの直近1年の株価)

インビテエ(ティッカー:NVTA)

ゲノム情報に基づき疾患リスクを提示する

インビテエ(Invitae)は「個人および医療機関に低価格の遺伝子検査を提供し、得られたゲノム情報を活用したビジネス」を行っている会社になります。

うーん、正直この手の会社は他にもたくさんあるんですが、結局得られたゲノム情報をうまくビジネスに活用できていないパターンが多く、この会社も同様かと思います。ヒトのゲノム情報は一生変わることがありません。あなたの全身にある細胞は全て同じ設計図を基にしています。つまり何が言いたいかというと、基本的に1人につき1回ゲノムを調べてしまえば終わりであるということです。リピーターはいません。

となると、そのゲノム情報を管理したり、最新のゲノムに関する知見(病気に関するリスク情報など)を検査した人に提供してお金をもらうという考え方もありますが、そこまで頻繁に変わるものではないので、果たしてそのような情報に個人がお金を払うようになるのか甚だ疑問です。さらに何度も述べている通り、同じゲノムデータであっても検査する会社によって判定する病気のリスクはバラバラであり、まだまだ信頼に値するものではありません。

あとはゲノム情報は薬が効くかどうかという判断にも使えるので、製薬会社に売ったりするモデルも考えられますが、ゲノム情報は個人を特定することも可能な情報なのでその取扱いは厳しく規制されていることがほとんどです。

こうしたビジネスモデルの会社は日本にもある

日本でもジーンクエストという会社が個人向けの遺伝子検査サービスを提供しており、ビジネスモデルはかなり類似しているかと思います。最初の検査料金を払うだけで後々のアップデートされる情報を受け取れますので、興味がある方は試してみると面白いかもしれません(ちなみに私は回し者ではありませんw 面白そうなのでどこかのタイミングで自分でもやってみようかとは思っています)。

直近1年間の株価推移

ここ1年で2倍くらいにはなっていますね。今後の株価成長は集めたゲノム情報をどのように活用できるかがカギだと思います。

出典:Google(NVTAの直近1年の株価)

ケアディーエックス(ティッカー:CDNA)

ゲノム情報に基づく臓器移植関連事業に100%注力

ケアディーエックス(CareDx)は「ゲノム情報を利用した臓器移植関連事業」を行っている会社になります。

臓器移植は最終手段の治療法として世界中で用いられていますが、他人の臓器を移植するという行為は大きなリスクを伴います。これは他人の臓器が異物と判定されると、免疫という形で拒絶反応が現れます。こうした事態がなるべく発生しないように、臓器の提供者側と受け取り側で免疫反応が起こりにくい組み合わせを探して臓器の提供が行われています。

そこで、ゲノム情報を活用してより拒絶反応を起こさないような診断を行ってもらうための医師向けツールを展開しているのがケアディーエックスになります。すでに腎臓や心臓といった臓器に関しては全米の多くの医療機関に導入されているようです。

出典:ケアディーエックス投資家向け資料

売り上げも年々成長中

売り上げも順調に伸びているようですね、おそらく大きな競合も特にいないので、安定的な成長が見込めるのではないでしょうか。

出典:ケアディーエックス投資家向け資料

直近1年間の株価推移

こちらも1年で3倍以上になってますね。下手に手を広げすぎず、臓器移植分野に注力している姿勢は個人的には好きです。

出典:Google(CDNAの直近1年の株価)

パーソナリス(ティッカー:PSNL)

がんの個別化医療をビジネスとしている

パーソナリス(Personalis)は「がんの個別化医療」をビジネスにしている会社になります。がん患者さんからがんの組織検体を提供してもらい、その分析結果を患者さんに返すというものです。

がんは遺伝子との関連が深い

実は「がん」という病気は遺伝子と非常に関連が深い病気です。「がん」がどのように生まれてくるのかということは現在でも様々な議論が行われていますが、「正常な細胞の遺伝子にいくつも変異が発生することで生まれてくる」というのがほとんどのがんの原因であると私は考えています。

つまり、がん患者さんのがん細胞を取り出して、どのような遺伝子変異があるかを調べることができれば、その遺伝子変異に対応する有効な薬を使うことができます。これはがん患者さん1人1人の変異に合わせて治療を行っていくということであり、まさにがんの個別化医療というわけです(精密医療、プレシジョン・メディシンみたいな言い方もします)。

現実にこのような取り組みは日本でも行われており、特に肺がんの分野などでは導入が進んでいます(ただし、遺伝子変異すべてに対応した治療薬が揃っているわけではない。多くの分子標的薬がこの先認可されれば、遺伝子変異を検査するという行為はもっと一般化し、市場の拡大につながる)。

さらに一歩先の検査、リキッドバイオプシー

今さらに一歩進んだ検査として研究が進んでいるのがリキッドバイオプシーというものになります。実は、がんになっている人の血中にはそのがんの痕跡(DNAやRNAなど)があるとされ、その極微量な痕跡を調べることで、初期のがんやがんの再発を検査してしまおうという取り組みになります。パーソナリスはこの分野にも力を入れているようです。

出典:パーソナリス投資家向け資料

業績は年々良くなっている

人間の寿命が延びれば延びるほど、がんになる方は増えますし、分子標的薬という遺伝子変異に対応した治療薬の選択肢も増えることを考えるとこの分野は大きくなるのは間違いないです。また、リキッドバイオプシーなどはある程度安価になれば、定期健診などにも組み込まれうるもの(初期のがんが分かるので)だと思いますので、今後どうなっていくのか注目ですね。

出典:パーソナリス投資家向け資料

直近1年間の株価推移

ここ1年で4倍ほどになっていますね。

出典:Google(PSNLの直近1年の株価)

アイオワンス・バイオセラピューティクス(ティッカー:IOVA)

腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を利用したがんの治療法を開発

アイオワンス・バイオセラピューティクス(Iovance Biotherapeutics)は腫瘍浸潤リンパ球(TIL)という腫瘍を攻撃するような細胞を使った治療法を開発している会社になります。そしてゲノムや遺伝子とはあまり関係がありません。

TILを利用した治療法は1990年代ごろから開発されている方法で目新しいものではありません。この時期は「免疫を高める」方法でがんを治療する方法が盛んに研究されていましたが、うまくいったものはありませんでした。そのうちの1つです。

ではなぜ、今さらこのような治療法にフォーカスしている企業が出てきているかと言えば、オプジーボをはじめとするがん免疫療法が出てきたからです。がんの特徴の1つに免疫細胞を弱らせて自分を攻撃させないようにするというものがありますが、オプジーボなどの薬は免疫細胞が弱らないようにすることで、がん細胞を退治します。詳細は以下リンクをどうぞ。

こうした免疫のブレーキを外す治療薬がでてきたことで、TILのような免疫のアクセルを踏むような治療薬に注目が集まっているのです。

がん患者さんの免疫細胞を取り出し、刺激を加えて体に戻す

では具体的にどのような方法をとっているかと言えば、がん患者さんの免疫細胞を取り出し、刺激を加える(IL-2)ことで免疫細胞を活性化して体内に戻します。これにより免疫が活性化され、がん細胞を退治できるというわけです。

出典:アイオワンス・バイオセラピューティクスHP

パイプライン

パイプライン(開発中の新薬候補)は以下の通りです。免疫チェックポイント阻害剤という免疫のブレーキを外す薬と併用されている試験も行われていますね。

直近1年間の株価推移

1.5倍程度ですので、他と比べるとそこまで伸びてはいない感じですね。ボラティリティもすごいです。

出典:Google(IOVAの直近1年の株価)

最後に

はい、いかがだったでしょうか?組み入れ上位10銘柄について見てきましたが、ゲノムや遺伝子関連事業のパターンはある程度網羅されているし、調べてみると面白い会社も入っているなと感じました。その一方で、ゲノムや遺伝子関連ではないものが入っていたり、微妙な会社も含まれているなーというのが正直な感想です。

組み入れられている全銘柄を確認したわけではないのですが、この中からいくつか選んで投資するのも全然ありだなと感じます。そして、おそらく私の場合は個別で買います(笑)

ではでは、また次回の記事で!

*投資される場合は自己責任でお願いします*

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