ギリアド・サイエンシズ(ティッカー:GILD)

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ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences)について解説します!

最近、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として話題のレムデシビルで有名になったので名前を聞いたこともある方も多いのではないのでしょうか?今回はそんなギリアド・サイエンシズについて解説していきたいと思います。

ギリアド・サイエンシズとは?

ギリアド・サイエンシズは1987年に創立された米国の製薬企業です。創業以来、HIV、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザといった感染症治療のための抗ウイルス剤開発が主な事業となっています。それでは、いままでにどんな薬を創ってきたのかを見てみましょう。

ハーボニー(レジパスビル/ソホスブビル)

ハーボニー(レジパスビル/ソホスブビル)はC型慢性肝炎治療薬です。みなさんは肝炎と聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか?実は肝臓がんの原因の9割はウィルスによるものであると言われています。

以前はC型肝炎の治療はインターフェロンというもので行われていました。このインターフェロンによる治療は奏効率が50%程度である上に、副作用がとても厳しく、インフルエンザ様症状やうつといったものが症状として現れてくるため、患者さんにとっては大きな負担となっていました。

そんな中、登場したのがハーボニーをはじめとする抗ウイルス薬です。ハーボニーが非常に画期的だったのは条件さえ合えば、一定期間錠剤を飲み続けるだけでほぼ100%C型肝炎を治療できてしまうところです。通常の多くの薬というのは病気の根本の原因を取り除くことができず、対症療法になってしまっていたり、投与を死ぬまで続けなければならないというのが多いです。製薬会社的には一生使ってもらえる薬の方が儲かるので、わざと完治する薬を創ってないのではないかという噂もあるほどです。製薬会社にはこういう完治を目指した薬を多く創ってもらいたいですね。

ここまで聞くと、ハーボニーってすごい!ってなると思いますが、実は世間的にハーボニーが有名になったのはもう一つ理由があります。それは薬価です。当初の販売価格はアメリカで1錠10万円、日本で1錠8万171円でした。治療のために1人の患者さんは12週間服用します。日本国内で約150万人のC型肝炎患者がいるということですから、この全員がハーボ―ニーを服用すると考えると金額は恐ろしいことになりますね。がんの治療薬であるオプジーボもそうでしたが、何度も薬価の改訂があり、現在ハーボニーの価格は1錠5万5000円くらいに下がっています。それでも高いですけどね。ハーボニーの薬価はその高さゆえに偽物が出回るという事態まで発生したほどです。

薬価をなんでもっと下げないのかという話もあると思います。これには2つほど考えなくてはいけないことがあります。まず、薬価を下げると製薬企業の収益が減り、新しい薬への投資が減ってしまうので、創られるはずだった治療薬が創られない可能性があるということです。これは回りまわって私たちに影響がありますね。また、日本という観点からみると、薬価を下げてしまうと日本で得られる製薬企業の収益が減ってしまうので、日本に新薬が入ってこなくなる可能性がある、というものです。新薬というのはそれぞれの国で臨床試験を実施して、その国での承認を得て販売となるのですが、臨床試験をするためには莫大なコストがかかります。つまり、そのコストに見合った収益が得られないのであれば、日本に新薬を導入する意味が製薬企業としては薄くなってしまうのです。

ベクルリー(レムデシビル)

ベクルリー(レムデシビル)は、エボラウイルス、マールブルグウイルス、MERSウイルス、SARSウイルスを含む、複数のウイルス病原体に対し、細胞を用いたin vitroと動物モデルを用いたin vivoの両方で広範な抗ウイルス活性を有する開発中の核酸アナログ(ウイルスの増殖を直接阻害する薬)です。そのため、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) への効果を期待して臨床試験が行われていました。しかし、2020年6月1日にギリアド・サイエンシズから発表された新型コロナウイルス感染症の中等症入院患者を対象としたレムデシビルの第 III 相試験(SIMPLE 試験)の結果は、ベクルリー(レムデシビル)を投与した人と標準的治療(現在行われている一般的な治療)を行った人の差が統計学的には認められなかったとのことでした。ただし、この結果はベクルリー(レムデシビル)が新型コロナウイルス感染症に一切効かないということを示しているわけではなく、今後行われる試験によっては効果が認められて承認される可能性は残されています。投与タイミングや量など様々な要因が薬の効果には関わっているのでこのようなことは臨床試験ではよくあることです。第Ⅲ相(薬が承認される前の最終段階の試験)であっただけに少し残念ではありますが、今後の動向を見守りましょう。

ギリアド・サイエンシズの将来性は?

製薬会社の将来を占う上で重要なのがパイプラインが充実しているかどうかです。パイプラインとは、製薬会社が現在開発を行っている薬のラインナップのことです。パイプラインが充実しているということは、将来的に新薬として承認される可能性のある薬の種をたくさん持っているということであり、その製薬会社の未来が明るいということになります。また、現在有効な薬のない疾患(アルツハイマーや多くのがん、希少疾患など)であればあるほどその価値は増します。それでは、ギリアド・サイエンシズのパイプラインを見てみましょう。

ギリアド・サイエンシズ投資家向け資料より

ウイルス治療薬・炎症性疾患治療薬・がん治療薬に注力していることがわかりますね。多くの生活習慣病で新薬が出尽くしている(完治はしなくても病気のコントロールができている)こともあり、最近の新薬開発はがん、希少疾患、認知症にフォーカスを当てていることが多いです。そのため、炎症性疾患やがんの治療薬を開発しているのはまあわかるかなという感じですが、感染症分野の治療薬を創ろうとしているのはすごいことだと思います。他の多くの疾患と異なり、ウイルスは日々刻々と自身の形を変化させているため、既存の薬が効かなくなることは珍しくなく、新薬開発する製薬企業にとっては非常にリスキーな分野と言えるからです。

また、がん領域のパイプラインを見てみると、細胞を使った治療法の開発を積極的に実施していることが分かります。低分子化合物、抗体を使った治療法が現在の主流ですが、今後は細胞を使った治療やさらにその先の再生医療などを使った治療法がメインとなっていくでしょうね。

というわけでギリアド・サイエンシズについてはパイプラインも充実しているので将来は明るいでしょう。ただ、新薬開発というのは60000万分の1の成功率という中で行われているので、これらの新薬がうまくいかない可能性も十分あるのでその点についてはきちんと織り込んでおく必要はあるでしょうね。

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